篠山にある collisimo(コリシモ)という古い郵便局を
カフェとギャラリーにリノベーションした空間で、
いとう写真館 の長時間露光写真「昔撮り」に
行きました。
「昔撮り」とは、60秒間の長時間露光で撮影する写真館です。
60秒間同じ姿勢・体勢を維持しなければブレてしまい、
停まった姿を写真に残す事ができません。普段の写真館のように、
被写体とカメラマンで作り出す時間や、
カメラマンが拾い上げる一瞬の表情とは違い自分自身をより見つめ、
本来の姿と対話する事で思ってもみなかった素の自分が
そこには写っていたりします。(いとう写真館より)
1分間。されど長い!
最初はただ動いてはいけないと緊張するばかりで
余計に揺れているのが分かり、どんどん焦ってしまいます。
ただ、回を重ねる内に、身体のどの部分が重さを感じてるのか分かり、
少し呼吸も落ち着くと、ふっと意識が身体から離れ
物のように固定された自分から、距離を置けるような感覚でした。
モノクロで仕上がった写真は、情報が整理されていて
過不足無い、1分間の素の自分が写っていました。
ポラロイドなので復製も引き延ばしもない、たった1枚の写真です。
何とも緊張感のある時間が終わると日が暮れてきました。
この collisimo(コリシモ) の少し先に、同じオーナーさんが
rizmという古い米蔵をリノベーションした大きなギャラリーがあり
そこで、 いとう写真館特別展「手仕事の写真展」
が開催されています。(〜9月29日まで)
露光写真を撮った後に見ると、写真に対する気持ちも
格別でしたが、伊藤さんの「時間を切り取る写真」の
面白さと真摯に向き合う作品に感動した一日でした。